化学発光

 

技術資料

  化学発光を利用してATP分子の量を測定する

 

 みなさま、ホタルは発光します。生物が発光するので、生物発光とよび、発生する光子を生物フォトンと呼びます。これは、化学反応が起こることによって、発光する化学発光の1つです。

この発光は、元となるホタルのルシフェリン分子が1個あると、酵素などの物質の作用で、約 0.4~0.8個の光子が発生するという極めて発光効率の優れた反応です。

 

 

反応式は、下図のとおりです。

 

 ここで、発光反応には、ATP(分子量507のアデノシン3リン酸分子)が必要です。
このATPは、動植物や細菌などの全ての生体内に存在し、エネルギー源として機能し、物質の合成、代謝に極めて重要な役割を果たしております。そのため、食品工場やレストランなどでの細菌、バクテリア検査に、ホタルの発光が利用され、ATPの量を測定することで、細菌などがいないかというチェックに使用されております。

 大腸菌では、10匹分(バクテリア1匹は、約、105個のATP分子を含む)もあれば、検出可能という極めて高感度の測定法となっております。

 

 

 以下に各社の検出感度を示します。

 

A社   4*10-17  molATP  感度約60万円
B社   5*10-17  molATP  感度約90万円
C社    10-18  molATP  感度約120~150万円
D社   7*10-19  molATP  感度約400万円    電子冷却光電子増倍管を使用

 

 以下に発光の特徴を記載します。

 

1、発光スペクトル
 560nmにピークがあります。元のルシフェリンなどを遺伝子改変することで、各種の色の発光スペクトルをもつものが現在、製作されております。また、発光スペクトルは、溶液のpH依存性があり、pH < 6では、赤色化します。

 

2、発光効率
 定義は、ルシフェリン1分子からの光子発生確率です。約40%~80%の高効率です。

 

3、発光減衰時間
 溶液の、pHや、Bufferの種類、加えるLiciferase,ATP,Mg2+の濃度によって顕著に変化します。約数10secから数10分の範囲です。

 

4、ATPの利用率
1回の発光反応に1分子のATPが必要です。

 

我社は、ATPの超高感度化のために、検出装置で可能な全ての要素を極限まで追求することを目指しております。
そのため、

1、光電子増倍管を電子冷却して、熱雑音を最低レベルにします。
2、発光の光を集光して、光電子増倍管に入射させる量を最大化します。
3、溶液のpH,Buffer,Mg2+の量を最適化して、最大発光量を得るようにします。